お金のこと

Saymeの社会人3年目から1500万円貯蓄までのお金の歴史Part6

会社設立から3年~5年

子供がだんだん大きくなってきたので、
おじいちゃんおばあちゃんに会わせて預かってもらえることもできるようになり
子連れで営業と絡めて日本に帰国することもできるようになりました。

1年に1度はそのように帰国し、他の時期はスタッフに交代で行ってもらい
日本を離れても、日本人の感覚がわかるように、常にアンテナを貼れるように
ビジネスを行っていたおかげで、

日本から、留学や旅行に来る人たちが何を求めているのか?
どんな暮らしに憧れているのか?
ニュージーランドの魅力を最大限に魅せ、堪能してもらうには
どうすれば良いか? など
いろいろ考えて提案することにより、
お客さんはどんどん増えてきました。

この時点で、
会社の会計士をしてくれていた人のアドバイスで
家を引っ越すことに。

次の家は2階建ての大きな家でした。
家は会社の経費でローンを支払う形にし、
私は給料という形をとらず、年度末に出た利益を
もらう形にした方が良いというアドバイスだったと思います。

比較的新しい家で、前の家からも近いのですが
それよりも高級住宅街であり、
大きな家の立ち並ぶ場所でした。
リビングには暖炉があり、向かいの家には大きな庭もあり
そこでは馬も飼っていました。

この時点で
その家の価格は日本円にすると約3000万円ほど。
ローンは1500万ほどだったと思います。

更にオフィスの引っ越し

借りていたオフィスは町のど真ん中の歴史的建物の中にあり
(確か1920年頃の建物)
1階部分に銀行やスポーツパブ、両替屋さんなどが入っていて
2階部分に1室1室がレンタルオフィスや語学学校などが入居している
雑居ビルでした。

比較的家賃も安かったのですが、そこの1室では手狭になってきていて、
1室ではなく、スタッフの作業部屋とお客さんの情報センターとしての場所の
分かれているもう少し大きいところを借りようと探したところ、
同じストリート沿いの8階建てのビルの6階部分に空きが出て
引っ越すことにしました。

家賃は前の3倍になるので、大きな賭けになる不安もありました。

一生忘れられない歴史的な出来事

担当の不動産屋さんはちょっとルーズなクロアチア人でした。
調子のいいお兄さんですが、
忘れっぽくて、下見の日のアポをすっぽかしたり・・

まあ、仕方ありません・・そんな人もいるんです・・海外ですから・・

そして、契約日当日、
書類を持ってきてくれる時間に来ないので
またー?と思い、事務所に電話をしたら・・

事務員さんの女性が出て、
「あなた!!今、テレビ見てないの??
早くつけて!!」

「はあ?」となって、でも言われたとおりにテレビをつけると
それは映画のワンシーンのような
ニューヨークのビルに飛行機が突っ込み崩れていく様子でした・・

そうです。9.11 悪夢のアメリカ同時多発テロ事件でした。

それ以降のことは、はっきり言って思い出せません。

おそらく、遅れて来た不動産屋と話をして書類にサインをし、
鍵をもらって契約は成立したのでしょう。

その日から、オフィスは変わったので。

大変だったのは
その後の仕事です。

日本の旅行会社や留学会社は
アメリカ、カナダ、ヨーロッパの人気の国も
キャンセルが殺到。
既に行っていた人たちも緊急帰国。

今回のコロナもそうですが、大損害だったでしょう。
コロナと違うのは
南半球は安全・・という意識があったことくらいでしょう。

そうなんです。

実は、
アメリカ、カナダ等へ行く予定だった留学生や
旅行者たちが
予定を変更して
オーストラリア、ニュージーランドへ
流れ込んだのです。

以下

平成13年度

地域経済レポート2001

-公共投資依存からの脱却と雇用の創出-

平成13年11月

内 閣 府 政 策 統 括 官

(経済財政-景気判断・政策分析担当)からの引用です。

運輸・旅行業に与えた影響

ここでは同時多発テロの影響が顕著に現れたとみられる運輸・旅行業について、その影響の程度を概観する。

同時多発テロによる我が国航空会社・旅行会社への影響について国土交通省が調べたところによると、航空会社大手3社の国際線の旅客・貨物収入の減収は、9月11日から9月24日の期間で約107億円であった。更に、同時多発テロの影響は旅客・貨物収入の減収にとどまらず、航空保険契約の見直し(保険料の追加徴収)に伴う約400億円と航空保安体制強化に伴う約3.8億円の費用増加が見込まれる他、受託手荷物の全数検査を行うためのX線検査機器の購入費として約4億円が見込まれている。

同時多発テロによる国際旅客数の減少及び費用増加に加え、世界的なIT不況による国際貨物需要の低迷も予想されることから、某大手航空会社は、2001年度の業績予想を経常利益の赤字化を見込むなど5月時点の見通しに比べ大きく下方に修正した。また、航空各社では航空保険料の値上げに伴い国際旅客便については5ドル、国内旅客便については500円の「航空保険特別料金」を設定し、国土交通省への認可申請・届出を行った。

次に旅行会社への影響について同じく国土交通省が調べたところによると、主要8社の海外旅行のキャンセル状況は、9月11日時点の予約済み分から事件発生以降9月28日までのキャンセル分が取扱高ベ-スで約520億円に達した。取消者人数は約29万人であった。事件直後の短期間にもかかわらずその影響は小さくないといえる。

https://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr01/chiikireport01.koramu.html

一度の出迎えで3人から5人くらいのお客さんを連れてそれぞれの
ホストファミリーの家に連れて行くような
ほのぼのとした仕事が、バス1台で数十人を出迎えて
まるで団体旅行の様に町まで連れて行き、
数十組のホストファミリーに迎えに来てもらうような規模になってしまいました。

もちろん、ホストファミリーの確保も必要でした。
新聞広告を載せ、家族構成や家の地域が安全かどうか、
若い夫婦、老夫婦、子供がいる家、など
いろんな条件のファミリーを揃え、例えば英語教師の資格を持つファミリー
庭がきれいなファミリー・・
営利目的が露骨ではないか、など、
様々なスクリーニングを行い、
30件ほどのホストファミリーは200件ほどに増えました。

スタッフはそれまでのSaymeを入れて3名だったのが6名に。

会社の売り上げは瞬く間に10倍になりました。

全く予測していない出来事でした。
それまでの売り上げで少ない人数で維持できれば
良かったのが、自分の中で余裕を持ってできるはずの
経営のコントロールがだんだん難しくなっていったのです。

さらに、不安な要素はそれだけではありません。

いずれまた、アメリカやカナダが落ち着いたら
そっちに行きたい人が増えるだろうということは想像がついていたので
またお客さんが減ってしまったら
抱えるホストファミリーやスタッフはどうしたらいいのだろう、
維持をしていくにはどうしたらいいのだろうということが
悩みになっていきました。

工事中